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どのくらい探しただろうか、さっきまで高かった日も沈み始めていた、
普段の俺ならもう諦めた家に帰っているところだが今回はそういう訳にいかない。
「あぁ!!くそ!!うまし棒がなかったら俺は食いもんも確保できねぇままこんなわっけわかんねぇとこで一夜をすごさねぇとダメじゃねぇかよおおおおおおおおお」
「うわっ!?いきなりおっきな声出さないでよぉ~びっくりするじゃないか~」
正直こいつ、うましもんの存在を忘れていた....
その時俺の脳裏にこのお人好しのうましもんを騙くらかせば、
とりあえずの寝床と飯は確保できるんじゃないか、まるで先ほど考えていた詐欺師の発想そのものである。
「な、なぁうましもん、お前って....」
俺の言いかけた言葉を素っ頓狂でのんびりとした声が遮る
「あぁ~!あれじゃない?あそこの木の根本に刺さってるやつ~」
少し離れた、目測で10メートル強ぐらいのところに生えている木の根元に俺は見慣れている棒状のものが見えた。
さっきまでの疲れはどこへやら、俺は猛ダッシュで走りだしていた。
「うおおおおおお!!あったああああああ!!コンポタ味一本だけだけど....、まぁなんも食わねぇで夜を越すよりはマシか....」
「やっぱりねぇ~うまし棒って聞いた時にもしかしたら、とはおもったけどねぇ~」
「あぁん?なに言ってんだ?やっぱりお前もうまし棒知ってんのか?」
「う~ん、知ってるといえば知っている?かな?ただ僕の知っている物かどうかはわからないな~君、さっきお菓子って言っていたし~」
なんだか意味ありげなことを言いながら焦らすようなセリフに少し苛ついた俺はこれが菓子以外の何物でもない証明をするために目の前で食ってやろうと思った。
「なにゴチャゴチャ言ってやがる、うまし棒は菓子なんだよ!こいつはこのギザギザで開けやすくなってるとこをきってだなぁ!!」
そういいうまし棒の袋を開封しようとした瞬間、俺の視界が眩い光によって潰される。
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