私自身の本

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私が本になって、 本屋さんに飾られたなら、 売れなくて、 ほこりをかむって、 しまうだろうか。 お客さんが、手垢にまみれた 自身の手で 私を手にとって 私自身をめくるだろうか。 中身をみて、驚くだろうか、 興奮するだろうか、 ため息をつくだろうか、 それとも、目を背けるだろうか。 いずれにしても そこには何も書かれてはいない。 そこに書かれているのは、 おぞましいあなたの歴史
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