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「いや、今日はこんなキレイなお嬢さんふたりに来てもらって申し訳ない」
接待の主はメガネをかけた、力士あがりのような大柄な人物であるが、同時に
腰の低いオトコだった。
「篠田さんも、毎日こんなキレイなお嬢さんたちと仕事ができて羨ましいです
な…」
ガハハと豪快に笑うが、目の奥は笑っていない。
分厚いメガネの奥で、挙動不審のように、せわしなく周囲の状況を観察してい
る。
大胆にふるまっているが、その実神経質で、物事の細かいことが気になって仕
方がない人間とアタシは見た。
事実、オトコは吉原さんが気になって仕方がない様子だった。
吉原さんが、化粧直しに席をはずすと、真っ先に篠田ハジメに尋ねる。
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