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「おはよう、天音!」
「おはよう」
翌日、いつもと変わらず明るく声をかけてくれた響ちゃんに、私も笑顔で答えた。
ひとまず一安心、とほっと息をついた。
机の上にカバンを置いた響ちゃんは、すすっと私のそばへ寄ってきて、顔を近づけ耳打ちした。
「・・・あんまり騒がれたくないねん。
昨日のは内緒な」
勿論わかってるよ、とばかりに深く頷いてみせた。
私だって、いろんな人に「あの子ストーカー被害にあってるんだって」と噂され、ジロジロと見られる毎日なんて嫌だもん。
安心したように笑った響ちゃんは、力が抜けたように深く椅子に座った。
「うち、今は今日返ってくる日本史の小テストの方がやばいかも」
そんなことを呟く響ちゃんに私は少し得意げに笑った。
「私、今回のはちょっと自信あるよ」
「何!
日本史欠点同盟は!」
「何それ、知らないよ」
くすくすと笑いながらそういえば、響ちゃんは少し唇を尖らせて机の上に突っ伏した。
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