ごふくを貴方に

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「えっと、私のこと呼びましたよね」 「おう、昨日のことやねんけど」 「あ、はい。分かってます。 私も親友がこそこそと影で噂されるのは嫌なので」 きっぱりとそういえば、先生は嬉しそうに頬を緩めて そして勢いよく私の背中をバシバシと叩いた。 力加減のされていないそれのせいで、思わずゴホッとむせてしまった。 「いやあ、神谷ってほんまにええヤツやな! あいつのこと頼むわ。 結構弱いから、よう見といたって」 まるでお父さんのような物言いに、思わず笑ってしまった。 怪訝な顔をした先生だったが「ほな、それだけやから」とさっさと職員室へ戻って行った。
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