序章:月の綺麗な夜だから

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賭けをしないか、と彼は言った。 どういう賭けをするのかを問うと、 「あの男女のことだよ」 「……ニキータ?」 本人がいたら殴られるなと思いつつ聞き直す。すると彼は一瞬拍子抜けたような顔をしたものの、明らかに挑発を含んだ声で言った。 「別にお前にその気がないなら構わん。俺が落とす」 ――悪い夢を、見てるみたいだ。
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