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師龍の声に反応したかのように会議室の扉が開くと一人の軍人が入ってくる、そして入って敬礼をすると
「四条綜馬一等兵長です!」
その言葉に会議室内はざわめく、3人目の七つの大罪契約者とか四条の生き残りだとか等。しかし師龍は綜馬に話せと言うと資料を手に持ち口を開く。
「吸血鬼側にいる人間の名前は吉原杏、5年前吸血鬼に拉致されその後に天使因子を体内に埋め込まれた女性です。天使因子は一条帝国軍の悪魔契約と似ているもので悪魔と対になるものです。彼女の中にいるのは四大天使のミカエルです、その力は強大で実力は吸血鬼以上のものであると考えられます」
資料に書いてあることをスラスラと読み、一つ一つが将校達を驚かしていた。しかし次の一言で会議室に沈黙が訪れる。
「天使は吸血鬼をも操る存在、吸血鬼からは大王と呼ばれ絶対的王として崇められています」
静かになったことで綜馬は話を一度止めて師龍の方を向くと、進めろという意味で頷く。
「我々の真の敵は吸血鬼ではなくその後ろにいる天使です。奴らを倒さなければ未来はありません」
そして綜馬が話し終えると次は師龍が口を開いて説明をする。
「現在の吸血鬼は王、十鬼柱が八体そして豪位が40体ほど。その他の雑魚は200体程しかいません」
「その情報は確かなものなのか?」
将校の1人が師龍に疑いを投げつける。
「はい、豪位の吸血鬼を拷問して吐かせた情報です。」
すぐさまニコリとした顔で返答するとその将校はそれ以上は追求しなかった、そして次に王騎が立ち上がり提案する。
「今師龍大佐が話した数だと先日のような兵の数では間違いなく全滅するでしょう、これに関しては父上の考えをお聞きしたいのですが」
「まずは兵一人一人の実力を高める、恐らく奴らは攻めてくるだろう。吸血鬼は攻め込めば勝てると踏んでな、今は天使を後回しにして吸血鬼を確実に殲滅にする」
元帥は考えを将校達に話すと鳴海が質問をする。
「親父殿、その間に鬼が攻めてくるって可能性はどうなんだ?」
「それに関しては問題ない、何度も偵察隊を送っているが奴らは領土が侵されなければ相手にしないってのがわかった。」
そして吸血鬼殲滅の将校会議は終わりを告げる。
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