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「つか緋花笑うとこ初めて見たかも」
綜馬が緋花の笑顔を見て気づいた、今まで緋花が笑うことを緋花隊のみんなは見たことがないのだ。
「確かに、そうだね!」
条野もそれに気付きみんなが緋花の顔に注目する、緋花は照れて顔を覆う素振りをする。
「つか笑った方がかわいいじゃんか」
綜馬のその一言に耳まで赤くした緋花は番条に支えられて身動き取れない綜馬にビンタをする。その音は訓練場に響き渡った。
そして緋花は怒ったのか建物へと入っていった。
「痛い、なんで?」
隣にいる番条は今の緋花の行動の意味を理解して不敵な笑みを浮かべからかう。
「女心は複雑なんだからさぁーちゃんとしなきゃ」
未だ理解できていない綜馬はそのまま番条に支えられて宿舎へと移動する。
「ああ、ここでいいよバンジョー。サンキューな」
部屋の前まで来ると流石に自分で歩けるため礼を言って自室へと入る。
「シャワー浴びて寝よう、身体が重い」
そして綜馬と別れた番条は自室に戻らずにある場所へと向かった。そして条野、時雨も同じく自室ではなくある場所へと向かう。
それぞれの師の元へと。
その頃緋花は
「なに、なんなのこの胸が締め付けられるような感覚は、しかも顔の熱いのも冷めないし。」
先程綜馬から言われた言葉が頭から離れない、目をつむると綜馬の顔。耳を塞ぐとさっきの言葉。綜馬しかあたまに残らなくなっている、今まで感じたことのないこの気持ちは緋花の心に変化が訪れたのだ。
「もう何で?何で綜馬君の事しか頭に出てこないの!んー分かんないー」
そして緋花は今夜は一睡もできなかったのだ。
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