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綜馬がユーダスに勝負を挑んでから数分が経つ、部分憑依した綜馬は息を切らして膝をついているがユーダスは剣を持ったまま自然状態でいる。
「それが人間の限界、いくら豪位に勝てたところで十鬼柱には勝てないんだよ。ましてや王には手も足も出ない、四条。吉原の言うとおりこっちに来なよ」
今までの吸血鬼には勝てるか互角だったのだが、このユーダスとやっているときはそんな事思わなかった。遙か格上で人間としての非力さを痛感させられる。
「何だって?そっちに行くってか、俺は吸血鬼が仇なんだよ。絶対に殺さなければ、絶対根絶やしにしなくてはならない存在。」
フラフラになりながら立ち上がると再びユーダスに斬りかかる、しかしユーダスは剣で受け続ける。いとも簡単に。
そしてユーダスの拳が腹部に入り綜馬は後方へ吹き飛ぶ、そしてユーダスは全体の戦況を見渡す。
「他の十鬼柱はーっと。ああ、みんな楽しそうに相手しているな…ん?」
目に止まったのは十鬼柱の一人が苦戦をしているからであった。
それはロードでその姿はボロボロになっていて見ただけで劣勢というのが見て取れる、その相手は今のユーダスの様に全く余裕あるような姿をしている。
「クソッ!零条てめぇなんでこんなに強くなってやがる!」
ロードが膝をつきながら零条を問いただす、しかし零条は何も言わずに奉天画戟でロードの首をはねて消滅させる。
「俺は貴様の問いには怠くて答えるのも面倒だ、一言言うなら一度負けた相手には二度と負けない。」
その姿はねじれた二本の角に牛の尻尾がついた半憑依の状態だったのだ、そしてその存在は周りの吸血鬼や人間を全て注目させた。
「ロードが人間に?」
それは十鬼柱でさえ疑うほどであった、そして師龍も半憑依を使うことに驚いていた。
「零条、半憑依さえ使いこなせるようになったのかよ」
零条は本格的に人間を超越する行為を行ったのだ、七つの大罪の半憑依を使いこなすこと。師龍は零条の底しれぬ力に怯え寒気がした。
「師龍、お前ならその様な奴は苦戦しないはずだぞ」
零条はジャックを見て明らかに下に見て師龍に一声かける。
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