十鬼柱と綜馬と杏

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 「あんまりナメてっと殺すぞ人間」  ジャックが零条の方を向いて睨みつけていると、前方に異様な気配を感じ視線を移す、すると師龍は体に魔力を纏わせていたのだ。  「なんだ?なにしてやがる?」  理解できていないジャックは見ることしかできずにいる、そして魔力の中から出てきたのは全身憑依した師龍だった。  燃え盛る太陽の様なオレンジ色の6対の羽が背中に付いた姿で現れる、魔神器もまるで太陽を凝縮しているかのごとくオレンジ色の輝きを放っている。  「さて、同期に言われたらやるしかないでしょこれは。ジャックといったな、悪いがお前はもう勝ち目がない。」  その言葉にジャックは逆上して師龍に斬りかかっていく、しかし師龍の事を切っても手応えはなくいくら目の前にいる師龍を切っていても消えないのだ。  「どこを切っている、そいつは陽炎に写った俺だ」  声の方を見ると同時にジャックの腹部に師龍の剣が突き刺さる。  「なんで、お前は…」  最後まで言う前にジャックは勢い良く燃えて瞬時に灰となる、そして零条の方を向くと当然と言わんばかりの表情をされる。  「火ぃ貸せや師龍」  タバコを咥えた零条に師龍は剣をタバコに近づけると火がついて一服する、そして二人はユーダスの方を向いて睨みつける。  「ロードとジャックをいとも簡単にか、少しは楽しめそうだな。吉原、小僧の確保をしろ。」  そう言うとユーダスは零条と師龍の元へと歩き出す、それとすれ違うように杏は綜馬の方へ走っていく。  しかし綜馬の元には既に条野と時雨が駆けつけていて手当をしていた、それを見て杏は走る速度が速くなっていく。  「綜ちゃんに触るなぁぁ!」  剣を抜いて二人に襲いかかる、それに気が付いた二人は構えて応戦する。  「落ち着いてください、吉原さん!」  「うるさい!綜ちゃんを返せ、綜ちゃんを!」  説得しようとするが全く聞く耳を持たない杏の叫び声に綜馬は目を覚ます。  「杏ちゃん、そいつらは僕の仲間だ。傷つけないで」  その言葉に動きが止まり綜馬の近くに行くと話しかける。  「綜ちゃん、一緒に行こう。そうしたら…」  「杏ちゃん、天使因子持っているんだよね」  その言葉に杏は言葉を失った。
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