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「あ?軍会議じゃ禁煙なんて貼り紙なんてなかったぜ、一条鳴海中将?」
タバコを咥えたまま目の前の粗暴そうな男、一条鳴海を睨みつけると鳴海も反論する。
「上官に向かって口の聞き方は気を付けな、零条家の分際で」
「ハッ!今回の作戦は誰のお陰で勝利できたと思ってんだ?役職だけの腑抜けに言われる筋合いはねぇんだよ、カス。」
見下すような口調であからさまに喧嘩を売ると、耐えかねた鳴海は机を叩きイスから立ち上がると同時に上座の方から声が発せられる。
「黙れ鳴海、そして座れ。零条の言うことに間違いは一つもない。肩を持つわけではないが零条はわざわざ灰皿を持ってきておる、それにここは禁煙エリアではない。それより王騎、進めろ」
元帥の一言に怒りを我慢した鳴海はイスに座ると零条を睨みつける。しかし零条は勝ち誇ったかのようにタバコの煙を目の前の鳴海に吐き出す。
ため息を付いた王騎は資料を持ちなおすと会議を進める。
「今回の作戦には150名を参加させましたが帰還したのは60名にも満たないほど、しかし吸血鬼の王の側近とされる十鬼柱の2体を師龍大佐と零条少将が討伐しました。それと地位クラスより強い豪位と呼ばれる吸血鬼五体を討伐、その他吸血鬼を200体程を討伐しました。十鬼柱3体と一人が退却し、この作戦は一条帝国軍は勝利いたしました。」
淡々と結果を話し終えた王騎は最後に、以上ですと言いイスに座る。座るのを確認した司会役が質疑応答の時間を取る。
すると周りの将校達が質問を口にする。何で犠牲者が多いのか、なぜ十鬼柱を全滅できなかった、など様々質問され答えていく。そして一人がある質問をする。
「退却に吸血鬼側に一人とあるがこれは人間なのか?人質か?」
その質問がされた際に王騎ではなく師龍が立ち上がりその質問に答える。
「人質ではありません、元々吸血鬼側にいた人間です。正確には元人間ですが、その者に詳しい人物がいますのでその者に説明させます。入れ!」
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