取調室にて

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取調室にて

黒いフードを被った犯人の正体は、実は50代の女だった。女は、たじろぎもせず机に両手を置いていた。何も疲れたそぶりは見せず、ジッとしていた。刑事もジッと睨んで女の罪状を明らかにしようと思っていた。 刑事は何を思ったか、その時、ハローアゲインを口ずさみ始めた。 すると、明らかに動揺隠しきれない感じの様子の女がいた。 「お前、病院ずとめの時、患者が歌った、この曲が気に入ってるんだろう。」「それで一瞬たじろいだな」 「そんなにその患者が歌ったこの曲が好きなんだな」 女はウンと呟いた。 「歌っていたのは男か女か?」と言うと、女は「男性です......」とか細く答えた。 「その男が好きなのか?」 女は首を横に振った。 「歌声が好きなんだな?」と言うと女は、はいと答えた。 刑事は歌った。「記憶の中でたった2人は生きて行ける、いつの日にか......」 「入江と車でショッピングセンターで被害者の秋子さんを誘拐拉致し、バラバラ遺体のあった 阿佐ヶ谷岳の山中ではなく、車中で首を絞めて殺し、その後で顔面を石で何度も殴打して、医学的知識に詳しいあんたが、遺体を処理することに困ったため、秋子さんの体をバラバラにして、ゴミ袋に詰め込んで放置した。 その際異常だったのが、内臓を全て出血痕も出さずにとりだしたことだ。」それと両手両足をせつだんして、内臓とともに標本として飾っていたことも分かっている。」 「これはなにをいみしてるのかおしえてもらえんかね?」 そう言うと、女は答え出した。 「カオスですよ、カオス。」クスクス笑った。 「混沌、smではない究極のエロチィシズム。」「身体改造ですよ.....」 またクックックと小刻みに笑った。 刑事は怒った。それと同時に背筋が凍る思いがした。「バン!!!」机を思い切り右手で叩いた。 「ええかげにせんか 」 「お前のやったことは畜生以下の所業だ。」「わかっているのか!!!」 刑事は憤りを隠せなかった。 女は答えた。「究極のエロスを求めるために、地獄に堕ちるの。」「地獄こそ愛なのよ。」 「そのためにわざと捕まったのよ」 「話にならん。こいつを連れてけ」 もう一人の係員に留置場に連れて行かせた。
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