Episode 3 『新緑のサスペンス』

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「優子、お前、大丈夫なのか? 酷い目に遭わされたりしなかったか?」 小松さんがよろけつつも歩み寄ると、優子さんは「パパ」と目を潤ませる。 「大丈夫、大丈夫だから、もう帰ろう」 優子さんはそう言って、陽子さんと小松さんの手を引く。 「大丈夫って、何も大丈夫じゃないだろう、お前」 小松さんは、躊躇いの表情でそう言いかけた時、 「遅くなりました」と、店長が、このお堂に姿を現した。 「店長!」 店長の隣には、原口宏郎の姿。 もう縛られてもいないことから、ここに来たのは、彼の意思であることが分かる。 「ピロくん……」 そう洩らした優子さんに、原口宏郎は目をそらす。
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