17355人が本棚に入れています
本棚に追加
「優子、お前、大丈夫なのか? 酷い目に遭わされたりしなかったか?」
小松さんがよろけつつも歩み寄ると、優子さんは「パパ」と目を潤ませる。
「大丈夫、大丈夫だから、もう帰ろう」
優子さんはそう言って、陽子さんと小松さんの手を引く。
「大丈夫って、何も大丈夫じゃないだろう、お前」
小松さんは、躊躇いの表情でそう言いかけた時、
「遅くなりました」と、店長が、このお堂に姿を現した。
「店長!」
店長の隣には、原口宏郎の姿。
もう縛られてもいないことから、ここに来たのは、彼の意思であることが分かる。
「ピロくん……」
そう洩らした優子さんに、原口宏郎は目をそらす。
最初のコメントを投稿しよう!