Episode 3 『新緑のサスペンス』

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「やっぱりお前は、この男に騙されたんだな?」 小松さんが詰め寄ると、ホームズさんは小さく息をついて、一歩前に出た。 「今回の事件は、複雑とまでは言いませんが、さまざまな思惑が入り組んだ末に起こったことのようですね」 「思惑?」と小松さんは眉根を寄せる。 「はい。小松さん、あなたが調べた情報にありましたが、彼・原口宏郎はかつて、『韋駄天』という不良グループのリーダーだった。 宏郎さん、ここに転がっている五人はかつての仲間と考えて良いですね?」 ホームズさんの問いに、宏郎は苦い表情で頷く。 「そして、進学校の風紀委員六人もあなたの仲間だった」 そう続けられ、宏郎は驚いたようにしながらも、また頷く。 「接点がないように思われますが、どうやって知り合われましたか?」
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