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「今回の事件の首謀者は『暁』のリーダー、國代重ですね。國代さん、あなたもそこにいらっしゃるのですよね。出てきてください」
ドアに向かって声を張り上げたホームズさんに、私も皆も虚を突かれて目を見開く。
國代重。
私はすぐに掛け軸の方を向く。
そう、この絵を描いた画家だ。
シン、とした静寂が訪れる中、ややあって、國代重が姿を現した。
「……君は本当に、恐ろしい子だね」
國代重はホームズさんを見て、静かに告げる。
何も言わないホームズさんに、彼は自嘲的な笑みを見せた。
「君がはじめてわたしの家に来たとき、この掛け軸をジッと見ていたから、『どう思う？』と聞いたら、『とても綺麗です。描き手の執着心を感じるほどに』と言ったんだよ。あの時は本当に驚いた」
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