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「ところで左京さん、ここに来たのは、何か僕にお話があったからではないのですか?」
首を傾けて尋ねるホームズさんに、左京さんは「そうだった」と顔を上げた。
「親父が、『お茶会を開きたいから、ぜひ清貴くんと葵さんに来てほしい』と言うんだよ」
「僕と葵さんに?」
「あ、僕も誘われてるよ、清兄」
利休くんがすかさず声を上げる。
「右近さんが開いてくださるお茶会なんて、緊張しちゃいますね」
そもそも、『お茶会』に呼ばれたことがないため、粗相をしないか心配だ。
私が小声でそう洩らすと、左京さんが首を振った。
「それがね、司と俺、それぞれにお茶会を開かせたいって。親父のことだから、どっちが優れたお茶会を開くか、その審査を清貴くんにしてもらいたいんじゃないかなぁ」
そう言って頬杖をつく左京さんに、ホームズさんは相槌をうちながら、顎に手を当てる。
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