Episode1『ウエスト・シャーロック・ホームズクラブ』

3/64
前へ
/548ページ
次へ
郵便です、と顔馴染みの配達人が、私・真城葵に手紙の束を手渡した。 私は配達人に礼を言って会釈をし、手紙の束を手に、くるりと振り返る。 「ホームズさん、今日は随分といろいろ届いているようです」 カウンター前には、この店のオーナーであり国選鑑定人・家頭誠司の孫で弟子、現在京都大学大学院生の家頭清貴さん、 通称・ホームズさんが京都新聞を開いている。 「ありがとうございます。ほとんどが、さまざまなお店からのダイレクトメールだと思いますよ」 「ああ、本当ですね」 確認しながら私は、カウンターに手紙を置く。 そんな中、一枚のハガキに、手を止めた。
/548ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17369人が本棚に入れています
本棚に追加