17369人が本棚に入れています
本棚に追加
郵便です、と顔馴染みの配達人が、私・真城葵に手紙の束を手渡した。
私は配達人に礼を言って会釈をし、手紙の束を手に、くるりと振り返る。
「ホームズさん、今日は随分といろいろ届いているようです」
カウンター前には、この店のオーナーであり国選鑑定人・家頭誠司の孫で弟子、現在京都大学大学院生の家頭清貴さん、
通称・ホームズさんが京都新聞を開いている。
「ありがとうございます。ほとんどが、さまざまなお店からのダイレクトメールだと思いますよ」
「ああ、本当ですね」
確認しながら私は、カウンターに手紙を置く。
そんな中、一枚のハガキに、手を止めた。
最初のコメントを投稿しよう!