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『京都寺町三条のホームズこと、家頭清貴様。
221会のご案内をいたします。
日時は4月3日13時。
会場は、彼が一度亡くなった場所、それがヒントです。
ですが、何に乗って来られても、自由です。
場所が分かっても分からなくても、ご連絡ください。
しかし、分からなかった場合、その時はもうホームズを名乗るのをやめていただきたい。 S.H』
「…………」
ハガキの隅には、パイプを咥えたシャーロック・ホームズ横顔のシルエット。
「えっと、これは?」
ハガキを手に呆然とする私に、ホームズさんがスッと手を伸ばして、内容を確認した。
「ああ、相変わらずですね」
そう言ってくすりと笑う。
「S.Hって、誰からなんですか? も、もしかしてシャーロック・ホームズ関係ですか?」
「杉浦広志さんです」
「杉浦広志さん?
杉浦広志さんという名前なら、イニシャルは『H.S』ではないですか?」
「そうなんですが、彼はシャーロック・ホームズと同じが良いと『S.H』で通していますね」
「は、はぁ」
「ちなみに僕のイニシャルは『K.Y』と空気読めなさそうな雰囲気になってしまうので、『Y.K』で通したいところです」
「……お気持ちは分からなくもないです。
で、この謎のハガキは何なんですか?」
『ですが、何に乗っても~』という文章も少し奇妙だ。
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