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「「?!」」
俺は身体を起こして現状を把握しようと頭を働かせた。
何言ってんだ?一緒に、暮らす?!
その言葉に動揺しているのは母も同じようで、母は絶句して能見を覗き混んでいる。
「ね?僕、時々はお出掛けするけどここを拠点にしてるから、離れている時間は少ないよ?」
「ば、っかじゃないの?私たちは離婚したの!」
「うん、でもそこに芽衣ちゃんの意志は無いよね。僕知ってるよ。芽衣ちゃんが僕の為にしてくれた事だって知ってるから……ごめんね、芽衣ちゃん」
再び足掻き始めた母は能見の言葉にビクつき、足掻く力を弱めた。
過去に何があったのか知らない。
だけど、母は固まり、能見は笑顔を絶やさないでいる。
〈コイツの為に離婚したのか?〉
話される言葉を理解しようと頭の中で反芻させてしまう。
沈黙が流れる───「……嫌だ」
母ははっきりとした口調でその一言を吐き出した。
「えぇ……何でぇ?」
「あんたがジジィと繋がってる以上、あんたとやり直す気は無い!それに、何なのよこの部屋!キモい!離せ!バカ!」
「酷いなぁ……僕の淋しさを埋める[芽衣ちゃんコレクション]なのになぁ。あ、ねぇねぇ、今度留衣の写真撮らせてよ、留衣って芽衣ちゃんそっくりだよね!一目で解っちゃった」
愉しそうに笑う能見と能見から逃れようと暴れる母……噛み合っていないようだが、この二人が元夫婦で俺の親なのか?と不可思議な気持ちで呆然と眺めてしまった。
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