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「お前、結構モテるんだぜ。狙ってる子何人か知ってるし、近寄りがたいってさ。麻琴は別みたいだけどな」
「何よ別って?」
「麻琴は留衣に警戒しねぇって事」
「俺は猛獣か」
チャイムが俺の台詞に被って鳴り、公平は2列離れた自分の席に戻っていった。
次の授業が終われば昼休みだ。
教科担当教員がやって来て授業が始まり、窓側に位置する俺の席から外を眺めた……雨は降っている。
俺の憂鬱は母の同行者にある。
母の担当は半年前まで女性だった……そう、今の担当は男。
まだ会ったことはないけど、担当が代わってから母の[打ち合わせ]は増えた。
その分仕事も増えたけど。
今回初めてその担当と[資料集め]に出掛けている。
別に気にする事もないと言えばそうなのだが……母が楽しそうにしている姿が気に障る。
いや、だから、別に母が笑顔なのは良い事なんだけど。
〈泊まりで行くことないんじゃねぇの?……雨なんだし〉
天気に八つ当たりをして睨み付ける。
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