8月・HAPPY[BLUE]BIRTHDAY

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「ねぇ、芽衣さんの仕事っていつ片付くの?」 「……知らねぇ。聞いてないし」 大量に出された夏の課題……いくら冷房の中で居られるからって、熱が出そうだ。 何故こんなに出されるのか。 [休み]だろ?休ませろよ! 俺は[休み]でも忙しいんだよ! 「聞いときなさいよ……せっかくの夏休みなんだから、芽衣さんと遊びたいじゃない!」 麻琴が広げた課題をペシペシと叩いて喚いてきた。 「うるさい」 「はい、そこ!間違ってる!」 文句を口にする暇もなく手元の誤りを正される。 ピンポーン──昼の11時半、麻琴の八つ当たりを避ける良いタイミングだが、これは嫌な予感しかしない。 ため息を吐いて玄関に向かう。 「よっ、これ差し入れ」 しかめっ面で出迎えているにも関わらず、城崎は涼しげな顔で、慣れた様で侵入してきた。 「暑いよなぁー、やぁ、麻琴ちゃん、こんにちわ。芽衣ー、持って来たぞー」 差し出された袋を受け取り、この図々しいヤツを睨みつける。 俺の部屋から麻琴が慌てて出て来て城崎を睨み付ける。 「あ、それアイスだから。早く食えよ」 一言も発していない俺に何も思わないのか、ガチャリと閉ざされた母の部屋のドアを開けた。 なんでお前は平気でドアを開ける?! いつもそうだ、城崎は平然と母の部屋に入っていく。 「留衣、あいつの態度、なんとかならないの?!勝手に名前で呼ぶなって言ってんのに!」 麻琴はキーキーと苛立ちを俺の部屋のドアにぶつけるように爪をたてる。 何とかしろって言われても、城崎は俺の言葉などのらりくらりとかわしてしまう。
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