44人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
天気は快晴、夏の日差しは刺さるように痛く、暑い。
こんな暑い日によくぞ産んでくれました母よ、俺を産んだ時もこんなに暑かったのか?と聞いたことがある。
「さぁ?覚えてない。だって、病院は冷房ついてたし」
当然の回答が返ってきた。
その通りですね、としか返せないだろ。
朝7時半、リビングのソファーで目覚めた俺は今日、家事の一切をしてはいけないので、起きてから暫くボケてみる。
が、腹は空く。
事前に麻琴には告げていたので今朝は玄関の呼び鈴は鳴らないはずだ。
公平も昨日、あれからウチには来ていない。
連絡してみようかとスマホを手にしてみたけど、何てすればいいのか解らず、そのままだ。
毎年の事だから、今日は来ないはずだけど……。
公平はかなりキレていた。
城崎からみたら公平なんか子供なんだから、小バカにするのは当たり前かもしれないけど、された方は気分が悪い。
だけど俺からすれば〈あそこまでキレなくても……どうしたんだ、公平のヤツ?〉といった感じだ。
キッチンでアップルジュースを片手に静かな室内を見渡した。
普段なら公平と麻琴が来て俺の作った朝食を母と食べていて賑やかだ。
これがフツーの家なんだろうなぁ……なんて、しみじみと感じる。
でも俺にとっては普段が日常で、物足りなさもある。
今日は特別なんだ。
夕食の時間にも起きてこなかった母に、いつ起きてもいいように、ラップを掛けて置いておいた皿も今朝は綺麗に片付けられていて、夜中に起きていた事が知れる。
最初のコメントを投稿しよう!