8月・HAPPY[BLUE]BIRTHDAY・2

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席に着いてから注文をして、目の前の水の入ったグラスと城崎に目を向け続けた。 城崎は横を向いて煙を吐き出す。 会話も始められず沈黙の中、頼んだ物が運ばれ、城崎は食事に取り掛かる。 「ホントに食べないのか?遠慮すんなよ、今日は誕生日なんだろ?奢ってやるぞっつっても、お前ガキだし、大人の役目だけどな」 嫌味っぽく聞こえる台詞も冗談のように伝わる。 「朝飯でまだ腹一杯だから……いい」 運ばれてきたクリームソーダに手を伸ばすと城崎は〈ふっ〉と軽く笑った。 「何?」 「いや……親子だな、とね」 その言葉にドキリとして手が止まりかけた。 無言のまま、城崎が食べ終わるまでズコズコとソーダを飲んだ。 観察していてもコイツはカッコいいと思う。 見た目や仕草がいちいち[大人]で、手慣れていてムカツクが、羨ましい。 食後の珈琲が運ばれてくると、再びタバコを取りだし「で、何なんだ?」と話しを促してきた。 途端に心臓が早鐘を打ち出す。 聞いてもいいだろうか? コイツに聞くのは間違いではないだろうか? 呼び出すべきじゃなかった……? 頭の中が忙しく自分の行いを振り返させてくる。 〈コイツが知らないと言ったら……〉 「ふん……」 城崎は唇を結ぶ俺を見て困った素振りをした。 そりゃそうだろうな、呼び出しくらって何も喋らないんじゃただ迷惑なだけだ。 テーブルに置いた飲みかけのグラスをじっと見つめ続ける俺に、呆れたのか、タバコを消して息を吐く。 「お前、芽衣に聞いたのか?」 心臓が跳ねて、顔を上げた。
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