9月・真実と事実

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2学期には大きなイベントがある。 弁天高校は体育祭と文化祭を年ごとに交互に行う。 俺たちが1年の今年は文化祭が開催される。 「留衣、一緒に裏方やろーな」 「妥当だな、交替制だろ?他のクラス、見て回りたいな」 「まだ出し物リスト出来てないけど、どんなのがあるのか楽しみだな。芽衣さんと文化祭……」 直ぐに母を持ち出し、にやつく公平に冷めた視線を向ける。 しかし、母が来るかどうかは判らないが楽しみではある。 〈母と……か。祭りすら何年か前に行ったっきりだな……人混み嫌いだからな……母〉 引きこもりの母が学校行事に参加してくるとは考えられないとため息が出る。 「おバカども、ちゃんと配布されたプリントを読んだ?」 隣から麻琴が刺してきた。 窓際を陣取る俺と、今学期も麻琴は俺の隣、公平は俺の後ろの席になった。 3人が一塊となったのは初めてじゃないだろうか。 麻琴の言葉に疑問符をたてて、公平と顔を見合わせる。 「おバカども、文化祭も単位制に関わってんのよ。しかーも!後夜祭までが1セットです!」 後夜祭? そんな記述あったか? 言われて初めてその文章を目に止める。 「なんだこれ?後夜祭フォークダンス強制参加って」 公平が呆れた声を発して読み上げた。 男女ペア歓迎……この学校、女子の方が多いよな? 「なんて学校なの?私に対する嫌がらせだわ!単位かけるなんて……絶対落とせないじゃない、どーすればいいの?!」 麻琴は大袈裟に喚いた。 そういえば、こいつ[男嫌い]だったな。
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