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「そんなの女子と組めばいいだけだろ。女子の方があぶれるんだし」
公平の当たり前な言葉に麻琴は目を細めて睨んできた。
「……私、友達……いない」
ボソリと呟いた言葉に俺と公平は静止した。
確かに、麻琴が[女友達]とつるんでいる所を見た事がない。
恥ずかしいのか、怒ったのか、顔を赤くして机に俯せた麻琴に掛ける言葉がない。
「あ……いやー、これを機会に作ればいいんじゃないか?」
「ああ、うん、そう、いい機会だ、作ってみれば……」
女子を気遣う事を知っている公平に合わせて麻琴に声を掛けるが
「……簡単に言わないで……私、同性受け悪いんだから」
優しさは届かない。
「そんな事ねぇよ!麻琴は可愛いし、頭いいし、よく気の利くさっぱりしたヤツじゃないか!な、留衣!」
「う、うん……そう、麻琴はか、かわ、いい?気の利くヤツだっ!直ぐに友達出来るって!」
「……無理しないで。今まで仲良くなった子なんていないもの。私には芽衣さんだけだもの!」
益々顔を伏せただけだ。
まさかこんな落とし穴があるとは……。
小学生の頃から一緒にいるが、麻琴が[友達と遊ぶ]と離れた事はない。
伏せたまま落ち込む麻琴に「じゃ、じゃぁ単位一つくらい落とせば?」と公平が打診した。
「やだ!私、成績落としたくないもの!」
勢いよく起き上がった麻琴は涙目だった。
「なら、俺と組む?」
その顔に俺は思ってもいなかった台詞を吐き出してしまった。
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