敗者は何度でも立ち上がる

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コードネームKジマが言った。 「自業自得だ、我々全体を危険にさらしたA級戦犯だ」 彼は二メートルを超すんじゃ無いかと思うほどの巨人、属性はノッポ、魚釣りが好き。 「な、なんだと同じ仲間じゃないか、それを貴様っ」 口に入れたピータンを飛ばすほど興奮して激昂した彼はコードネームIワモト、ボルダリングが上手で慈悲深い坊主頭、彼女募集中。 「明日は我が身、生き残った同志を憂いでの発言だ、許してあげなさい、まぁどうぞ」 彼女はエージェント、イトゥ肩書は取締役部長、ってなんだか偉そうだ。 トクトクトクトク 「あ、すいません、ありがとうございます、グイッ、プファ~♪美味い」 「イトゥさんも、どうぞ」 「ああ、ありがとう♪」 「すいません、お銚子二本お代わりで」 こうして同志の追悼は続いた、人によっちゃ終電ギリギリまで。 「ビール追加、4本」 ミッションで命を落とす者 責任上消されるスケープゴート エージェントに都合良く使われる犬 そんな存在、だからこそオレ達は宴をする、傷を舐めあい、道化しばっちゃう 明日はもう来られなくなるかもしれないから 携帯が震えた。 「はいもしもしゴロチンです、‥‥えっ」 電話は明日のミッションの内容を知らせる、いつもの提示連絡だ。 ただ腑に落ちない、今の声―― 「まさか、ヤツが‥‥」 貴公、朗報だ、 ヤツが帰ってきた。
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