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その後オレは進まれるまま、酒を飲み、今回のイベントについて楽しく会話した、他の作家さん達とも、皆も愉快にこの時間を共有している。
オレから見るとエブリスタはクリエーター同士の交流、接触には重い規制が掛かっているようなイメージがあった、ましては今日の相手は運営者、だが今夜はそれも解除されているらしい、オレは甘い罠に自ら堕ちる事とした。
話し込んでいる内に、周りには作家達の姿は無く、既にスタッフが片付けに入っていた、時間はとっくにリミットを過ぎていた。
「ああ、すいません、こんな時間まで、そろそろ帰ります」
するとM田さんは満足そうに微笑んで言った。
「こちらこそ楽しませて頂きました、これをどうぞ」
渡されたのは名刺だった。
「ありがとうございました、それでは失礼します」
「ゴロチンさん、またお会いできる日を楽しみにしてますわ」
丁重に見送られ、その場所を後にした。
足元がふらつく、飲んだ酒の量もさることながら、オレが酔う事など無いはずだが、、、
やられたか。
そういや彼女、全く一口も飲んで無かったな。
まだ人の多い繁華街で、静寂と闇を探す、どうしても孤独に焦がれてしまう時もある、今がそうなのだ。
彼女は言った、また会おうと。
それは必ず実現するだろう、その時までのカウントが今、刻み始めた、あたかも、死の宣告のように。
今度逢ってしまったら、オレの全ては奪われたままになってしまうかも知れない、いやオレだけでは無い、誰しもがだ、それでもオレは彼女を欲してやまない、
彼女は本物の魔女なのかも。
なぁ貴公
オレの唯一の頼みを訊いてくれないか
一緒に行って欲しいんだ、
魔女に逢いに。
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