15人が本棚に入れています
本棚に追加
むうっ。
オレのgorochingradarが、深い闇に反応した。
後ろかっ!
振り向くと、背の高い、2枚目風のダンディー風な、男が佇んでいた。
「小湊くろおる です」
なにっ!
知っている。
彼もまた、有名なヒットマンだ。
くろおるさんは、優しい目でオレを見据えていた。その屈託の無い笑顔の裏で、一体何百人、いや何千人の犠牲者(ファン)を出してきたのだろうか。
やらねば
やられる
その瞬間、くろおるさんは、懐に忍ばせた、名刺入れに手をかけた。
ヤバい、罠だっ。
グサッ!
一瞬の差だった。
オレの名刺風、暗器の方が僅かに早く出せた。
危なかった。ネットで作っておいて良かった。
本当に、本当に、ごめんなさい。くろおるさん!ハァハァ。
だがこれで、やっと依頼を完遂する事が出来たかな。ハァハァ。
な、なんだこれは!?
オレの全身に鳥肌がたった。
因みに、沖縄はまだ半袖の人も結構いるらしいですよ。えんぴつ堂さん談
後ろから聞こえた声に振り向く。
「早川です」
ぐははっ!
な、なんというオーラだ。
そこには、信じられない程の美しさを携えた小柄で華奢な女性がいた。
心が吸い込まれてゆく。その大きな黒眼の底は、深海のように、捉えた者を無情に押しつぶしてゆく。オレもまた然り。
美しき黒眼の魔女 早川さん。
ああ、絶対、怒られるよ。
マジヤバいよ。
あーもう、ごめんなさい!
本当にスイマセン!!
グサッ
ハア、ハア、ハア。
本当に、こんな勝手な事して申し訳有りませんでした。
でも、仕事なので…。
な、なんつーミッションだ。
これは、キツイ。
ある意味、本気で。
ふと、辺りを見回す。
オレの心の警鐘が鳴り止まない。
そうかよ。
まだ、まだ、ヒットマンが、いるんだな。
最初のコメントを投稿しよう!