毒を喰うなら皿まで喰った上で文句言えよ

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梅☆林さん グサリ 羽央さん グサリ ねこじたさん グサリ あああ、スイマセン。 だが、花が咲く前に、悪の芽は、摘み取らなくてはならないっ。 カランッ 右手に張り付いた柄を、無理やり剥がすと、落ちたナイフが、やけに軽い音を響かせた。 こんなチャチな物でも、人は死んじまうのか。 余りにも虚しくて、消えてしまいたくなった。 帰ろう。 その時だった。販売ブースの中で、やけに明るく、熱心に、5分シリーズの短編集を売りさばく男が目に付いた。 馴れた手付きと、巧みな話術は、まさに、プロのコンビニ店員、いや、店長クラスだ。 ま、まさか!? オレの心に一抹の不安が過ぎる。 あまりにも、上手すぎるんだよ。 オレはソイツの隣に並ぶと、すかさず、声を張り上げた。 「いらっしゃいませ~妄想コンテスト受賞作の短編集ですよ~。今ならエコバッグ付いてますよ~♪」 すると、隣のコンビニ物語が、オレを見て、不敵に笑って言った。 「いらっしゃいませ~5分で喜怒哀楽が楽しめる、短編集ですよ~。今ならセットで3000円でOKです!」 なにっ、に、200円値引きだと。 ならば、こちらは半額だっ。一時的に定価を倍に上げて、半額タイムセールをするのだ。購入者は気分的に得をする。 はっ! なんかMatsudaさんが、恐い顔してこっちを見ている。ヤバいよ、ヤバいよ~。 恐るべし、コンビニ物語。ヤツの正体はいったい!? 「ぽぽあっと です」 ギャース! た、大それた人、登場。 あの、超絶レビューのお方だ。 作品よりも、超卓越した文章、知らない言葉のオンパレードで作者を翻弄する! その名も、作品斬りのぽぽあっと。 レビューを読んだ作者が、思わず嬉しくて泣いてしまう。 作者殺しのぽぽあっとさん、なのかあ。
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