黒様

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あれから駿が異様に気になった、 あの黒い雲の様なものは何だろう、 それより駿に異常はないかと… しかしそれは杞憂だった。 あれから2週間が立っていた、季節は夏本番になり夏休みに入っていた。 田舎暮らしのためか 夏になると川で遊ぶのが定番だった。 山梨県都留市十日市場、平成の名水100選にも選ばれる清流として有名な場所だった、 夏でも水が冷たく、凍えてしまうほどだった、 私は駿と魚釣りに夢中になっていたが、だんだん釣れなくなって来たので飽きてきていた。 すると、駿の顔の近くに黒いビー玉くらいの少し小さい黒い玉が現れた、 これは何かが起こる、そう予感した。 駿「おーい、おきろー何寝てんだよ この先300mくらい先に飛び込みスポットがあるらしいんだ、行こうぜ」 何か嫌な予感がした、2週間前の黒い雲、さっきの黒い玉 何かが起こる、何かがおこる… そう思った。 急いで駿を追いかけた。 足の早い駿とは違い私は足が遅かった… 私「待って、飛び込まないで」 こちらに気を取られた駿は足を滑らせて予期せぬ形で飛び込んでしまった、 瞬間、水面が赤く染まった、 岩で足を切ったらしい、 駿は、その場で溺れ始めた。 私は流される駿を必死に追った、下流まで流された駿の手を掴んだ時、 だんだんと駿の温もりが消えてい くのを感じた、私「死んじゃダメだ、死んじゃダメだ」 誰か、誰かー 必死に呼んだ、声が枯れても、叫び続けた。 私の思いは虚しく山の中の川でには誰もいなかった。 しばらくして、 冷たくなった友達を抱えとぼとぼと歩き始めた… 私が声をかけなければ駿は無事だったかもしれない、そう思うととても辛かった。 下流でバーベキューをしている人を見つけ協力を求めた。私は今まであった事を全て話した。 その後私は…心を閉ざした…
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