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『次に、庶務。2年の保河秋斗(たもつがわあきと)』
「「「キャアアアアwwwwアッキー素敵ーwwww抱いてーwwww」」」
『うるせえ!
あー。えっと。庶務の保河です。最近は主にイベントの企画なんかも任されてるんで、皆が楽しめるイベントが出来るようにがんばります』
「「地味顔がんばれー」」
『うっせえ!!』
クラスの席から歓声…と言うより、ほぼおちょくるような野次が飛び、そちらに向かって思いっきり中指を立ててから、頬を膨らませた保河庶務が元の位置に戻り、黒髪の生徒へと頷いて見せる。
『…そして、最後に私が、副会長を任されています。3年、木崎氷呂(きさきひろ)と申します。
以上7名が、今期の生徒会役員です。ブロマイド、写真集等のグッズは各自公式HPへとお問い合わせください』
生徒たちの席へとふわりと笑い掛けた木崎副会長の合図で生徒会メンバーが頭を下げ、割れんばかりの拍手が新入生を中心に沸き上がる。
ブロマイドってなんだ。なんの公式HPだよ。なんて基本的な疑問を持つ生徒など、この東雲学園には存在しなかった。
『…ああ、そうでした。最後にもうひとつ』
生徒会が退場し、拍手が収まった頃。まだステージに残っていた木崎副会長が再びマイクの電源を入れ、生徒の方へと顔を向けた。
『先程の質問ですが、いますよ』
口元に笑みを浮かべる副会長様の言葉に生徒たちの頭にさっきの質問とはなんだったかと、疑問符が次々と浮かぶ。
『少々嫉妬深いので、気を付けてくださいね』
小首を傾げてふわりと微笑んだその表情で2、3年生を中心に「あ…こいつ死んだな」と、理解と憐れみの籠った眼差しが赤髪の生徒へと集まった。
「笑った顔もめちゃくちゃ可愛い…っ!」
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