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「あの美人さん、氷呂先輩ってゆーんだぁ」
式が終わり、ぞろぞろと本校舎へと向かう新入生の中に混じる赤髪の生徒が、今にもスキップしそうな足取りで歩く。
「おい、やめとけって!あの木崎様、ちょう怖い彼氏がついてんだから!近付いただけで頭蓋骨握り潰されて奥歯ガタガタ言わされるって噂だぞ!」
中等部の頃からの付き合いのあるクラスメイトが肩を掴んで正気に戻そうと訴えるが、へらりと浮かべた笑顔は何の危機感も持ってはいない。
「写真で見るより、ナマで見た方がずっと可愛いよなー」
鼻歌を歌いながらスマホの画面をタップし、そこに表示された写真の一部を大きく引き伸ばす。
画面には、文化祭である意味伝説となった、猫耳メイド姿の副会長様の姿が大きく映し出されていた。
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