白滝 太郎 (しらたき たろう)

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朝の支度を終え、家を出た僕はいつも通り学校へと向かっていました。 そして、学校へ向かう途中にあるT字路を右に曲がると、僕の5、6メートル先に、スマホをいじりながら、こちらへと向かってくる某有名女子高の生徒らしき姿が目に飛び込んできました。 すると、僕の脳内コンピューターは、かつてないほどの高速で演算を始め、彼女の名前や連絡先の交換をするまでの道を導きだしました。 脳内シミュレート通りの行動に移るために僕は素早く、先程歩いてきた道をUターンして、右折する道の手前で待機しました。 耳を済ませば、彼女の足音が近づいてきます。実際は、車の音や他の人の足音、話し声等も聴こえているけれど、今の僕は彼女の足音と、それ以外をはっきりと聴き分ける事が出来ていました。 ・・・カウントダウン開始です 3 2 1 「今です!!!」 まあ、結果は失敗でした・・・ 歩き出すときに、「今です!!!」なんて、大きな声を出したら、誰だって何事かと思い、立ち止まって声のした方に視線を向けるにきまってるでしょう? 出会い頭にバチコンで可愛い彼女とお知り合い作戦に失敗した僕は、敗戦の将のように頭を垂れたまま、学校へと歩いていきました・・・
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