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「ふふ。私も見れるもんなら見てみたいわー。そしたら、もっといい絵が描けると思うもん。」
「お嬢さんは十分いい絵を描きよるわ。」
「え?ほんとかなあ、自信ないなあ。」
「お嬢さんはもっと自信を持つといいじゃろうて。」
(しっ静かに。)
「へへ、ありがとう。私、もっと自信持ってみる!」
おじいさんがフラスコをよけると、抽出されたコーヒーがゆっくりとしたたってきた。
真次郎じいさんも、夢も、翔太も、雄二も、そこにいるものはみな、コーヒーの一滴が少しずつ少しずつ落ちていくのを、じっと見つめていた。
その瞬間、雄二はコーヒーのたまっていく水槽の奥深くに、龍の姿をかいま見た気がした…。
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