第二章 『出会いはさくらの中で』

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「それより、皆さんまずは煎茶を飲んで、ゆっくりしてくださいな。それから取材でも、構わないでしょう?」 「いいんですか?ありがとうございます!」 スッと掛け軸から視線を外してそう言ったお祖母ちゃんに、少しだけ違和感があった。 (……なんだろう、恥ずかしくなっちゃったのかな?) すると、違和感があったのは私だけではなかったらしく、 「なぁ、唯。あの掛け軸は、いつ頃から壁に掛けられているんだ?」 と、学武さんが、後ろから耳打ちしてきた。 み、耳がくすぐったい! 思わず肩がビクッと跳ねてしまった。
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