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―――3月初旬。
真冬の凍えるような寒さはなくなり、どこか生温い風が吹き始めた頃。
学校では、卒業式に向けての練習が行われていたり、皆が春を迎えるための準備を進めているように思える。
私は、朝から茶房『さくら』で、店番をしていた。
「唯ちゃん、お祖母ちゃんちょっと買い出しに行ってくるから、一人で店番頼めるかしら?」
「うん、大丈夫だよ。いってらっしゃい!」
いつも朗らかで優しいお祖母ちゃんは、にこにこと手を振って店を出て行った。
そんなお祖母ちゃんの後ろ姿を見て、胸がギュッと締め付けられるような切なさに襲われる。
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