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真面目を絵に描いたようなオレ。
成績も常に上位をキープしていた。
藤野には「嫌みなヤツ。お前に弱点は無いのか。」との憎まれ口も挨拶代わりだ。
弱点?……あるさ。
人生において大いなる弱点が…。
オレは、恋愛を犠牲にしている。
というか、必然的にそうなった。
何故なら…恋愛対象が同性だからだ。
中学に入って、皆が異性にソワソワしている頃
オレは自分の性的対象が異性ではない事に気づいた。
ある時期から、愛だの恋だのと思春期特有の浮わついた心を全てしまい込んだ。それからは野球と勉強に集中できた。
そんな姿が周りから見ると、ひどく大人びて見えたのだろう。
いつの間にか周りから頼りにされる事も多くなり、中学時代もキャプテンを任された。
忙しい毎日のおかげで自身の恋愛は中学時代に置き去りにしていったままでいた。
弱点というと大袈裟だが、そっち方面の話はどうしても疎い。
心の奥では、エロ本ひとつで盛り上がっているクラスメイトを羨ましくも思っている。
だが、自分は大学や社会に出てからでいい。
その方が自分に合った生き方だと考えるようにしている。
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