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方向感覚が無くなるほどの曲がりくねった道を抜けた峠にある通称『森の美術館』
この美術館は絵画や彫刻の展示に留まらず、歴史的展覧会の催しや、有名人の個展。
また同じ県にある美術大学生の卒業生の作品など定期的に入れ替えながら展覧している。
その美大に通い、絵画学科を専攻している藍<アイ>と彫刻学科を専攻している大樹<タイキ>が今回訪れた中で一番楽しめた作品を熱く語りながら帰路につていた。
「俺はやっぱり今回のメインが良かったかな~」
「えぇー!絶対あの青の世界だよー!」
お互い違う分野ではあるが、それぞれが楽しみ勉強ができるため、交際をしているこの二人はデートとして共に訪れることも少なくなかった。
森の美術館は車でないと通うのが難しく交通の便が良いとは言えないが、運転手の大樹にとっては慣れ親しんだ道であるはずだった。
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