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起き上がったニコが俺の頬を撫でる。
「……怯えた顔もセクシーね、baby。恐ろしい夢を見たのなら、気付けに冷たい珈琲でもいかが? お昼にはお仕事でしょ」
「仕事……そうか。仕事があるからお前の家に泊まったんだったな」
夢か。おかしな夢。
「そうよ。男前ね。昨日あなたの胸ポケットに入っていた写真、見ちゃった。勿体ないわ、こんなに綺麗なのに殺しちゃうなんて」
ニコが写真を指で挟んでひらひらと振る。写真の中ではあのいけすかない、ポール捜査官が笑みを浮かべていた。ゾッとした。
ニコの額を銃で撃ち抜いた。
至近距離で撃ったので、眉と眉の真ん中に綺麗に命中した。ニコは少し驚いた顔になり、そのまま後ろに倒れた。額からだらだらと血が溢れる。そのままぴくりとも動かない。
「……生きた人間を綺麗なんて言うからだ」
誰にも聞こえない言い訳を1つ。俺はアパルトメントを出た。あのサドクソ野郎を殺すために。
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