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背中に奴の体重を感じる。上にのしかかられたまま、手首にガシャリと冷たい手錠がかけられる。
「1th、April。11:15 殺人容疑で、亜蘭=モルガン逮捕。約束の時間より早かったな」
じたばたもがいても、俺の上から男はどこうとしない。高級スーツに血でもつけてやろうとする前に、すっとかわされた。
「珈琲は飲んでこなかったのか。混血の殺し屋。亜蘭=モルガン」
遠くからパトカーのサイレンの音が近づいてきていた。
「……お前は……いったい……」
ポール捜査官は俺にのしかかったまま、煙草を咥えてそっと火をつけた。むわっと煙草の匂いがした。
「もう一度やってみるか?」
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