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千鶴との出会いは、中学二年にあがる頃
とある病院だった
私は当時、原因不明の高熱が続き未成年だけが入院する病院で、長期療養を受けることになっていた
後々にわかったことだが、ペットの死や家庭内の問題で、精神的に限界が来ていたらしい
長期療養の原因は、精神的ストレスが肉体に現れていたからだった
だが、当時の私には原因が分からず、長期療養は不安しかなかった
病室は二人部屋
同い年の子が、同室だと告げられた
それだけが楽しみで病室の扉を開けると、そこには天使のように可愛らしい女の子がいた
それが千鶴だ
透き通るような白い肌
色素の薄く長い髪
目を奪われるような美しさと、儚さを兼ね備えた美少女
固まったままの私と目があった千鶴は、嬉しそうに笑った
「こんにちは
私は千鶴。あなたの名前は?」
ベッドから降りて近づいてきた千鶴は、小首を傾げて話しかけてきた
その声は澄み切った、綺麗な声だった
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