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ま、これが、この免許証が本物なら、だけど…
ここまで来たら一度、会うべきだろうか?
気になる点が多すぎる。
まず、車検証の所有者と事故発生時の運転者が違う。所有者は滝川 はな。運転者が小野原だ。そして支払請求者は滝川。これぐらいならよくある話ではあるが…
事故当時から所有者、滝川についての話が一切出てこない。当然、今に至るまで晴も滝川と話せていない。「交渉の窓口は自分に」といつも小野原が出てくる。
そして滝川と小野原の関係性が見えない。「ご親戚ですか?」と最初に尋ねたときに、「ええ、まあ」と話を濁されたままだ。
今回の事故はうちの契約者が起こした追突事故だ。赤信号で停止中の小野原が運転する乗用車に、居眠り運転の契約者が後ろから突っ込んだ。
事故については、こちらに全ての責任がある。事故自体に不自然なことは何もない。だが…
車のリア部分と追突された反動で電柱にぶつけたフロント部分は大破しているにも関わらず、運転者の小野原は無傷だった。相当強い衝撃を受けたにもかかわらず無傷。「お怪我がなくて良かったです」と電話口で言ったものの、それはそれで奇妙というか、これもまた腑に落ちない、しっくりこない原因の一つだ。
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