第二章 依頼

5/9
前へ
/67ページ
次へ
 だから「うーん、おじいちゃんの手下で、こっちを監視してるんだよ、あいつ――」  と、答えたら、三田は「げげっ!」と、奇声をあげて、「そうか、そうなのかぁ~」と、なんだか腑に落ちた顔をして「あんたも大変なんだね」と、同情された。  (この野郎、もしやデキてるって、勘違いしてたな)  そう察したものの、「こら!」などと怒るような真似はしなかった。  いろいろ随分な三田だが、景子の命を助けてくれたりもしている。  三田は景子と違って面倒見がいい。基本的に人情家なのだ。  反対に人知れず怪事件を解決している景子のほうが薄情で、部活でも無愛想な先輩と後輩に怖がられている。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加