第二章 依頼

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 勉強を終えてから、その北島小夜子から、「一緒に野球部の試合を応援して欲しいの!」  そう言われて、「ああ、いいよ」と、快諾すれば、北島はニッコリと意味ありげな笑顔になり、「うふふふふ、ありがとう。じゃあ、ゴンタロウさんに頼んで欲しいの」と、頼んでくる。  「へ?」  「うふふふふふ、ゴンタロウさん、野球できないかな」  「聞いたことないけど」と、答えたら、「頼んどいて、お願い――」と、命じられた。  景子の額に汗が流れた。  あきらかに北島は景子に命令しているのだ。  まさに問答無用、YES、NOなど訊いているわけではなかった。  三田が「どうしたの委員長、今日は強気だね」  と、驚けば「そう? うふふふふふ、見かねて~」と北島はとぼけた。  「誰を?」と、三田。
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