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「まさか、そんなにも危ない物件と知っていて、賃貸契約を素知らぬ顔で結ぼうっていうんじゃありませんよねぇ?」
少々キツ目の美人顔である夏樹が凄みを利かせれば、どこか堅気の人とは思えない程の迫力があり、思わずたじろぐ営業マン。
しかも、流石にこのまま、一人で行かせただけでなく、契約後、もし万が一何かあった場合は、自分の過失が問われるのも明白。
それでも、彼女が住みたいと申し出ている部屋には、どうしても一歩も入りたくない理由があった。
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