第一章 弐

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 どこをどう見ても、怪しい物はなく、嫌な雰囲気も一切感じない。  それどころか、むしろ、住み心地の良さそうな、好物件にしか見えない。  けれど、それは見た目だけの事。  夏樹の目的は、このアパートにまつわる噂を徹底調査し、記事にする事。  その為に、自らの危険を顧みず、ここに実際住み、体験する事によって、より一層リアリティを追求しようと思い立ち、即座に行動に出たのだ。 「さてと」  一通り部屋の中を確認し、住むには申し分ないものの、外観同様、やはり、どこか拍子抜けした感は否めないものの、噂の検証の為に、一度、ここに住む事に決めた。
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