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勿論、噂が、単なる噂でしかなく、何も起こらなければ、それはそれで、体を張った記事として、ある程度は評価されるであろうし、何かが起きれば、もしかしたら、雑誌のトップを飾る事も夢ではないかもしれない。
出版社の中ではぎりぎり中堅どころといった宝書房に採用され、早三年。
オカルト系とはいえ、そこそこ大きな部数を売り上げている雑誌の編集者として、まだ、駆け出しの記者である夏樹は、その勝気な性格から、小さな野望を胸に秘めて、このテーマに挑んだ。
ここで認められれば、オカルト部門から、もっと、大きな部署へと移動できる。
花形記者として、名を馳せる為には、地道な努力も勿論であるが、大きなスクープを手にする事が重要なのである。
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