第一章 弐

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 今、自分に出来る事。  そして、今の部署で、編集長が自分に期待し、望んでいる事。  それらを思い描き、再度、仰向けのまま、ピクリともしない男の傍へ近寄ると、彼の横にひざまづき、両肩を揺さぶる。 「ねぇ、いい加減起きてくださいよ」 「うう……」 「ねぇってば」 「うぅぅん」  瞼をぴくぴくさせながら、唸り声を上げるのを見れば、もうあと一歩で目を覚ますといったところか。
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