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夏樹は、悪いとは思いながらも、頬っぺたを軽く叩きながら、「おーきーてーっ」っと、耳元で声を上げる。
「うるさ……」
眉を寄せ、薄らと目を開ければ、目と鼻の先に、自分を覗き込む夏樹の顔。
思いもよらない状況に、びっくりして飛び上がった。
「す、すみませぇぇぇん」
自分がどんな失態を犯したのかは、目覚めたばかりの働かない頭では、思い出せていないものの、玄関先で倒れていたのを、お客様に起こされたという事実は理解出来た為、彼女にひれ伏すかのごとく土下座をした。
あまりに大袈裟な謝罪の仕方に、呆気にとられながらも、その必死さに、思わず口元が緩む。
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