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「空気の入れ替えでもすれば、少しはマシかな」
気絶していたとはいえ、営業マンが部屋にいた時とは違い、何も無い殺風景な部屋に一人きりで取り残された夏樹は、広々とした空間の中、どこか重苦しさを感じていた。
そして、南側にはめられた、大きな窓を開けようと、サッシの鍵に手をかけようとした時である。
「ひゃっ」
自分の手の甲を、小さな白い手が一瞬添えられるのを目にし、思わず体を跳ね上がらせる。
『きゃははははは……』
「誰?」
タタタタタタッ
甲高い笑い声。
そして、軽やかな足音。
それら全ての共通点は子供。
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